互いに相手の発言や行動が推測できない状況、コミュニケーション関係にある場合、それを迅速に軽減することが必要です。
このような問題を、PersonsやLuhmannなどは「二重の偶有性( double contingency ) 」として議論しました。
「自分の発言は相手の発言によって変わる」、そして、「相手の発言は自分の発言によって変わる」ということを踏まえて上で、わたしたちは相手の発言をある程度予測しながら、コミュニケーションしているわけです。
Personsによると、二重の偶有性は「 文化や価値を共有すること」で解決される(縮減できる)といいます。
しかし、この推測は、両者の専門性や文化の違いによって不可能になることがあります。文化や価値を共有できない(できていない)者同士が互いに推測を確実にしつつ、協働するための方策として思考スキームが役立つことを目指しています。